栄養科ブログ
栄養にまつわるさまざまなこと、お料理や食事について、私たち管理栄養士や調理師にお気軽におたずねください。
私たちは「食」を通じて、当院を訪れる皆さまの健康や幸せ作りのお手伝いができればと思っております。
2018年9月の記事
妊娠糖尿病管理で大事な事。
妊娠糖尿病と診断される人は
約10~12人に1人です。
(当院データより)
つまり、
約10%が妊娠糖尿病です。
当院の管理の基本は、
外来での
『食事療法』です。
その他、生活リズム、運動など
血糖管理や母体の健康、
胎児の発育に大事な部分も
一緒にご相談していきます。
妊娠糖尿病と診断された日から
1週間 自己血糖測定をしてもらいます。
(3食)食前+食後、寝る前→1日7回チェック!
さらに、食事ノートも記入してもらい
食事の内容や傾向を把握します。
1週間後に全体の結果を
みながらご本人に聞き取り。
医師と相談しながら、
食事療法を決めていきます。
当院は不必要なインスリン注射は
推奨はしておりません。
(状態によっては
入院管理する場合もあります。)
出来る限り
母子ともに負担が少なく、
またリスクが少ない方法を
考えております。
そして大事なことは
『出産したら終わりではないこと』
妊娠中、血糖値の管理した内容は
生涯に渡り『健康に過ごす方法』と考え
ながーい目で気を付けて欲しいと思います。
まずは、ご相談しながら
楽しく、元気に過ごせる策を考えたいですね❤
ikuta
ありがとうございました!❤
今日でいつも栄養科を縁の下の力持ちとして
サポートしてくれた子が卒業。
仕事が早く、いつも冷静!
同い年、ほぼ同じタイミングで入社したので、
その仕事力をひそかに尊敬していました。
私も頑張らなくては~!と思わせてくれた子でした。
食事で使用したお皿、
調理で使ったボールや鍋、お玉など、、、
調理器具が沢山あります。
その洗う量は本当に多いのです。
しかし彼女は丁寧かつ早い。
栄養科スタッフがビックリするほど。
またどこかでお会いできると思います❤
ありがとうございました!
HARUYAMA
育児方法で赤ちゃんの貧血発症が違う?!
母乳のメリットはたくさんあります。
しかし、知っておいて欲しい事もあります。
離乳食開始時期
約5~6ヵ月の赤ちゃんの調査です。
ヘモグロビン<10.3%=貧血
ミルク育児 0%
混合育児 3%
母乳育児 8.8%
つまり、
母乳育児の赤ちゃんは約9%が
貧血状態にあるという結果です。
これは、
・貧血のママから生まれた赤ちゃん
・早産の赤ちゃん
・低出生体重の赤ちゃん
であれば、さらに貧血のリスクは
高い可能性があります。
お粥から摂れる栄養は
エネルギーが少し・・・
残念ながら鉄や他の栄養素も
全て足りないのです!
離乳食の鉄板
「お粥+野菜ペースト」で
ゆっくりと過ごしていては、
貧血の状態が長引き、
赤ちゃんのカラダの発育、
知能の発達などに障害をうける場合があります。
まず悩んだら、
豆腐、魚、レバーペーストなど
日々の食事に追加して
鉄分アップしちゃいましょ❤
ぜひ、このブログを読んでいるママ達が
賢く、楽しく育児をしてほしいなぁ~と思います。
ikuta
参照文献:
Somura H,et al.Ped Int 2011;53:807-13より
日本ラクテーション・コンサルト協会:補完食,2006年.
震災に備えて、当院の備蓄について
北海道地震で被災された方には
謹んでお見舞い申し上げます。
昨日の地震では震度7を記録し、
震源地に近い場所では大規模な土砂崩れが発生しました。
電気、水道ガスなどのライフラインも止まり、
料理はもちろんのところ、冷蔵庫の食材もダメになってしまい
食事を満足にとれない状況が続いていると思います。
予期せぬ震災に対して私たちにできる事は、
まずは【備える】だと思います。
当院の栄養科の食品庫には、
トマト缶やツナ缶などの、
火や水での調理がなくても食べられるものを備蓄しております。
各科にひとりの防災委員が会議に参加し、
震災時の対応についても職員全員で共有しております。
先日見学させて頂いた病院では、
アルファ米とレトルトのカレーなどを備蓄していました。
どんな状況でも【食べる】ことと、
【生きる】ことは切り離せないものだと思います。
缶詰め類は日持ちもしますし、
私もシンク下にサバ缶や鰯の缶詰め、
ミネラルウオーターなどが置いてあります。
食料の確保を、
日頃からどうか意識をしてみて下さいね。
HARUYAMA
インターシップの学生さん
今週からかわいい学生さんが
インターシップでいらしています。
学校の実習とは別に、
自分で調べて当院へ連絡をくれました。
管理栄養士課程1年目ですが
とても賢く、やる気にあふれた方です。
常に目的や目標をもち行動しています!という
言葉通り、先を見据えて動けるってすばらしい!です。
一緒に過ごせて新鮮さと嬉しさを感じます。
私自身も頑張らねば!
数年後に管理栄養士として
お目にかかれることを楽しみにしています。
ikuta
妊娠糖尿病のスクリーニングについて
当院の妊娠糖尿病のスクリーニングについて、
ちょこっと書きますね。
まずは、よく聞かれるご質問から。
(患者A)
「次に、75g糖負荷試験があります。
どうやって過ごしたら糖尿病の診断されずにすみますか?」
誰しもが、そう思いますよね。
(栄養士)
「気になる点は改善し、
まずは普通に過ごして検査に臨んで下さい。」
実は、この普通がくせ者(笑)
スクリーニング検査が陽性になり、
詳しい検査を行う方にはそれなりの素因があります。
それに気づき、
自分の生活を見直すきっかけになるといいですよね。
たとえば、
・ジュース、アイス、お菓子、果物の過食
・主食しかない食事
・家から一歩も出ない、運動不足
・食べた後ゴロゴロして過ごす。
など
思い当たる事があれば
まずはそこから改善してみてはいががでしょうか。
その改善は妊娠ライフを幸せに
導くことばかりだと思います。
もちろん、改善したからといって
100%妊娠糖尿病の診断が
つかないわけではありましぇん・・・
しかし、もし妊娠糖尿病と診断されたら
結局同じ部分の見直しが必要になる場合が多いのです。
いつやるの?
「いまでしょっ!!!」
(↑まだ使っていいかな☆)
管理内容については、
また後日書きますね。
ikuta
不妊治療の方への食事~サプリメントの活用~
台風の大雨の中、
バイエル薬品の不妊治療をされている方に向けての
栄養指導セミナーに参加させて頂きました。
当日は栄養士だけではなく、
不妊治療の最前線で活躍されているドクターや看護師、
胚培養士の方々が参加されていました。
まず現状としては、
不妊治療を継続している人は増加しております。
■ 体外受精と顕微授精による出生児数は、
平成 18 年の約2万人 → 平成 26 年には 4.7 万人
■ 総出生児数 に占める割合は、
平成18年の1.79% → 平成26年には4.71%(※1)
とても身近な事なのです。
そして第一にカラダづくりが大切。
◎特に大切なのは【葉酸】と【鉄分】
【葉酸】DNAの細胞分裂に必須。
【鉄】血を作る材料に必須の栄養素。
◎自分に合わせた食事を
共働きや夜勤、料理が好きだったり、
あまり得意じゃなかったり。
様々な背景がありますよね。
教科書のように完璧を求めるのではなく、
ご自分のライフスタイルに合わせて
継続するのが理想的だと思います。
(例)朝食に毎日菓子パンだったら・・・
週3回はライ麦食パンに目玉焼きやハムを乗せてみようかな★など。
食事から栄養素を摂取できたら良いですが、
残念ながら調理の過程で失われて、
吸収率が↓してしまう事もあります。
なので、補助としてサプリメントを
活用してもよいのかなと思います。
ちなみにセミナー当日は
葉酸、鉄分たっぷりのランチ、
ロゴが入ったデザートプレートを頂きました❤
(※1)参考資料 厚生労働省
「不妊専門相談センター」の相談対応を 中心とした取組に関する調査
HARUYAMA
BABY食堂 part2 座学編 のご報告
今日は強風の中、
赤ちゃんを連れてご参加くださり、参加者の皆さんありがとうございました!
前回に続き、
エネルギー、鉄をアップするための食品や方法を考えました。
初参加の方は、驚きの内容だったとのこと(;^ω^)
くたびれていらっしゃらないといいです。
以下は気になるアンケートからの報告です。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
気になっていることが解決できた
→ よかったです! それこそがこちらのねらいですよ~♡
夕食から積極的に大事な栄養をとっていきます
→ はい!最初が肝心。今日からやりましょう♪
食事の量や回数などわかりやすく説明してくれた
→ 食事の回数と量はもっとも ゆるっとしてほしいところです!
悩んでいた部分がすっきりし、不安に思っていたことが<OK!よ>と
言ってもらえ、背中をどんと押してもらえた
→ だいたい大丈夫なことばかりです!(^^)!
もっと食材の使い方を知りたかった
→ こちらについては、9月15日(土)の調理見学偏でまたご案内しますね!
この日は、part2座学のクラスに参加した方限定となります。
もっと頻繁にクラスの開催を
→ リクエストありがとうございます。
現在最大限に頑張っておりますが、
また状況は変わるかもしれませんのでお待ちくださいね♪
などなど。
たくさんのご感想をありがとうございました(*^^)v
MCTオイルもうまく活用して、エネルギーアップをできますよう
願っています(^_-)-☆
次のPART2は来年1月に開催予定です。
今回参加できなかった方も
7ヵ月以降であれば、どの月齢でも構いませんのでご参加お待ちしております!
matsumoto
糖尿病の正しい食事療法 に参加しました
9/2(日)都内の講演会へ参加いたしました。
一社)日本糖質制限医療推進協会主催
【糖尿病の正しい食事療法~糖質制限、脂質、人類と食】
1、江部康二先生(高雄病院)
糖質制限食による糖尿病の治療と予防
・穀物が主食となったのは人類史上ここ最近のこと。
・糖尿病ではない人も、日々ブドウ糖ミニスパイクが生じる。
酸化ストレスの発生につながる。
・カロリー計算によりインスリン単位が決められている矛盾。
・インスリン分泌はがん細胞の増加、老化を促進・・・
・インスリンは血糖を中性脂肪に変える(肥満ホルモン)
先行文献より、
・炭水化物摂取比増加で総死亡率上昇。
・脂肪の摂取比率で総死亡率低下。 など
2、大櫛陽一先生(東海大学名誉教授)
ケトン体生成食による
脂質プロファイルの変化
・ケトン生成食
=ケトジェニックダエット(KGD)
=スーパー糖質制限食
・ケトーシスは問題なし。
ケトアシドーシスは身体が酸化に偏り様々な症状が現れる、危険。
・ケトン体はタフなエネルギー源
・KGDはアルツハイマー病の治療にも…(先行文献より)
・コレステロール日本と海外では歴然の差がある
・コレステロールは女性ホルモン、男性ホルモンの基になる。
・ビタミンDの原料にもなる。
3、夏井睦先生(なついのキズとやけどのクリニック)
あの人はなぜ、聞く耳を持たないのか?
ー【2:8の法則】とヒトの行動ー
・「パレートの法則」
・様々な人間集団も、自然に3グループに分かれる。
✓上位2割:実績、積極性に優れたタイプ
✓中位6割:平均的グループ
✓下位2割:生産性が低く、積極的に行動しないタイプ
・この比率は昔から今も変わらない
・冒険家主導の時代=21世紀
・糖質制限派は、上位2割の冒険家。
糖質制限は最新科学の上に成り立っており、単なる懐古趣味ではない。
少し難しいところもありますが、
つまり・・・
糖質制限がスタートした10年以上まえより
現在の医学でさらに有効性がデータベースで
蓄積されており、
今後のさらなる解明、普及になっていくと考えます。
多くの先生より
学べる環境って本当にありがたいと思います。
臨床現場にバックできるように
頑張ります!
ikuta
第42回 日本産科婦人科栄養・代謝研究会 に参加して
木曜日~開催された研究会に参加させていただきました。
注目は
シンポジウム「妊婦と糖質制限」
宗田マタニティクリニック 宗田哲男先生のご発表
山口病院 奥平智之先生のご発表
などなど
その他に
ランチョンセミナーでの「プロバイオティクスと早産」
教育講演Ⅱ「アスリートの栄養・食事」
ワークショップ「妊婦とサプリメント」
などなど
おもしろい内容盛りだくさんでした。
栄養に関する動物実験での限界をいつも考えてきましたが
「動物実験からみた妊娠期糖質制限が出生仔の糖・脂質代謝に及ぼす影響」
のご発表では
おもしろい知見が得られました。
が、医師向けの研究会なので 難しい…(◎_◎;)
同じ職場や仲間だけの討論では、考えが凝り固まりがちですが
全く初対面の方、経験豊富な方との意見交換やご発表を聞くことは、
新しい風を吹かせてくれます。
<思い込み>
は、誰にでもあるものですが
まさに<思い込み>の解除が鍵だな~と自分の人生も振り返る2日間。
毎度、気持ちよく出かけさせていただき
この職場環境にも 大 感謝♡ です!
そしてこの日曜日は、
若手2人は都内の勉強会へ、ベテラン1人は江部康二先生のセミナーへ。
こちらも報告もまた楽しみです。
全員で
学んできたことを 臨床の場に返していきたいと思います(*^^)v
matsumoto